それでは前回の続きといきましょう。
OM-1の上部カバーを取り外したところまで紹介しましたね。
[フィルムカメラ] オリンパス OM-1 :ファインダーが汚い!モルトによるペンタプリズム腐食の修復方法 その①
▼目次
ホットシュー部分の取り外し
ホットシューの金属部分を取り外します。下の写真の赤丸部分にあるねじを外せばポロッと取れます。断線させないように気を付けましょう。
取り外したところを拡大すると恐ろしいことになっています。
赤い枠で囲った部分が、ボロボロになったモルトがプリズムを腐食させているところです。まさに浸食されています。
留め具を外して、プリズムを摘出
ちょっと見えづらいですが、赤丸のねじがプリズムの留め具ねじです。これを左右2つとも外すと留め具が外せます。ついでに透明のプラスチック(?)のカバーも外します。
そのあとはプリズムを引き抜くことができます。細い配線がたくさんあるので切断しないように要注意です。
そして取り外したプリズムです。左の写真がちょっとぶれてしまっていました。モルトによって腐食したところがもろもろになっています。見た感じは溶けているような印象です。
下側から見ると右写真のように見えます。
ついでにペンタプリズムを摘出した後です。フォーカシングスクリーンが見えます。この時にブロアーでごみを吹き飛ばしましょう。モルトのかすがたまっています。
製造年が判明 昭和49年11月26日
ちなみにオリンパス M-1が出たのが昭和47年7月(1972年)、ライカからのクレームによりOM-1に改名したのが昭和48年5月(1973年)です。
さらに昭和49年(1974年)にOM-1MDと呼ばれるモータドライブ機構を取り付け可能な機体が発表されました。ちなみにモータドライブ機構というのはフィルムの自動巻き上げ機構です。
フィルムカメラは1枚撮影するごとに親指部分にあるフィルム巻き上げレバーをジーコジーコしなければなりませんがモータドライブ機構で自動巻き上げが可能ということです。
昭和49年11月ということはOM-1の後半の機体のようですね。
プリズムを清掃
清掃というか、剥がす感じでした。柔らかい布にアルコールをつけてごしごしします。
磨いて装着してファインダーを覗いてチェックという作業を何度も繰り返します。この作業でどの程度まで蒸着面をはがすかを調整します。腐食している部分は全部はがす気持ちで実施しました。
いかがでしょうか…かなりはがしましたね。
下から見たプリズムです。削った部分がわかりますね。
プリズム取り付けの前にアルミホイルで蒸着面の修復
下の写真だとかなり広い範囲にアルミホイルを付けていますが、実際に必要なのは蒸着面を削った部分だけです。
赤枠部分にアルミホイルをかぶせれば問題ありません。私は留め具でおさえるだけなので広範囲にかぶせました。
では再びBefore Afterの写真を貼っておきます。
後は同じ手順で復元していくだけです。次回はフォーカシングスクリーンの清掃予定です。