ねこたび

マクロ撮影のすすめ ~絞り(しぼり)~

60mm f/5.6 1/6s ISO100 (Nikon610 / AF-S Micro 60mm f2.8)

最短撮影距離、被写界深度について説明してきましたが今回は[絞り]についてです。主に被写界深度をコントロールするための[絞り]の使い方を説明します。

マクロ撮影をするにあたって、最も重要と言ってもいいでしょう。絞りを変更したら、写真にどのような影響が出るのか検証していきましょう。
基礎知識
1.最短撮影距離
2.被写界深度
3.絞り
4.絞り羽について
5.撮影倍率

▼目次

  1. 絞りとは?
  2. 開放絞りとは?
  3. 検証
  4. まとめ

絞りとは?

絞りというのは、レンズについている羽のようなものです。この羽が動いて光量を調整します。円形の光の通り道を開いたり閉じたりする遮蔽物ですね。

絞りはF2やF8など、Fと数字で表されます。これを絞り値、F値といいます。数字が大きくなるほど光の通り道は狭くなり、[絞る]と表現します。光の通り道を[しぼって]いるのですね。

絞り

手元のレンズにちょうどいいものがありましたので、各絞りの値で写真を撮ってみました。F値が小さいほど光の通り道が大きいので明るく、F値が大きいほど光の通り道が小さいので暗くなります。

開放絞りとは

開放絞りとは、レンズのもつ最小のF値です。レンズによってこの開放絞りは異なります。一般的にF値が3を切るレンズは明るいレンズと言われます。(値段も高くなる傾向があります…)
上の写真の解放絞りはF2.8ですね。

少々前置きが長くなってしまいましたね。それでは実際に検証してみましょう。

検証

前回に引き続き、車を使用します。7,8年前でしょうか?缶コーヒーの特典でミニカーがついてくるキャンペーンがあったときに手に入れました。

ニコンのカメラを使用してるので、黄色と黒のランボルギーニでいきましょう。…ほら、ロゴの色と同じでしょう。

使用するレンズはNikon 60mm micro f/2.8です。開放絞りはF2.8ですね。絞りの開放側と、絞った側で写真にどのような影響が出るのか試します。

まずはいつもの撮影風景です。30cmと40cmの位置にミニカーを置きます。

撮影風景

絞り値:f/3.2  黄色のフロント部分だけにピントが合っています。

60mm f/3.2 1/20s ISO100 (Nikon610 / AF-S Micro 60mm f2.8)

絞り値:f5.6   黄色のフロントからボンネット部分にピントが合っています。

60mm f/5.6 1/6s ISO100 (Nikon610 / AF-S Micro 60mm f2.8)

絞り値:f9   黄色のフロントから前輪までピントが合っています。

60mm f/9 1/3s ISO100 (Nikon610 / AF-S Micro 60mm f2.8)

絞り値:f11   黄色のフロントガラスまでピントが合っています。

60mm f/11 1/2s ISO100 (Nikon610 / AF-S Micro 60mm f2.8)

絞り値:f18   黄色のリヤタイヤの直前まであっています。(黒もだんだんボケが少なく)

60mm f/18 1.3s ISO100 (Nikon610 / AF-S Micro 60mm f2.8)

絞り値:f29   黄色は全体にピントが合うようになり、黒も鮮明になってきました。

60mm f/29 4s ISO100 (Nikon610 / AF-S Micro 60mm f2.8)

絞り値:f36   黄色は全体にピントが合うようになり、黒もフロントにピントが合いそうです

60mm f/36 6s ISO100 (Nikon610 / AF-S Micro 60mm f2.8)

…縦に並ぶとわかりづらいですね。ということでまとめました。
これだけでいいんじゃないかって?…大きい写真で見てほしかったからです。

絞りによるボケの変化

まとめ

いかがでしょうか。絞っていくと、より広い範囲にピントが合っていく様子がわかったかと思います。前回は[被写体までの距離]でボケをコントロールし、今回は[絞り]によってボケをコントロールしていきました。

気づいた方もいるかと思いますが、F2.8のときはシャッタースピードが1/20秒に対して、F29のときは6秒になっています。絞ると光の量が減るのでシャッタースピードを長くとって光量のバランスを取らないといけないんですね。これについてはまたの機会に…。

今回覚えていただきたいのが、絞りによってボケ具合をかえられるということでした。

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