星の撮影方法を以前紹介しましたが、月が出ている時に星がどのくらい見えるのかについてはさほど述べていなかったかと思います。
なぜ月が出ていない方が良いのか?
月明かりというのは、予想以上に明るいものです。
どの程度明るいかというと、月明かりで影ができるほどです。ここまで明るいと、せっかく街明かりが届かない場所で撮影したとしても星がほとんど写りません。
それでは月が夜空に存在しない場合と、月が存在する場合の写真を比較していきます。
月が存在しない場合
新月もしくは月の入り後に撮影した場合です。
設定は24mm F2.0 10s ISO 6400となっています。
中心左側にカシオペヤ座が写っています。
カシオペヤ座を斜めに天の川が横切っているのがギリギリ確認できますね。
月が存在する場合
次は月が存在する場合です。
設定は24mm f2.0 20s ISO1000です。
上の写真に比べ夜空が明るく、星が目立ちません。これは月明かりで夜空全体が明るくなってしまうため、もともと暗めの星々は月明かりで潰れてしまうので全く見えないのです。
さらに明るく撮影しようとすると(シャッタースピードを上げるor ISOを上げる)、夜空の方が明るくなりすぎてしまいます。
ちなみに写真の下の方にカシオペヤ座がいるのが確認できます。
比較画像
ちょっと解像度がひどくなりましたが、カシオペヤ座に丸をつけたので比較してみましょう。
月が出ている写真は、天の川は全く確認できません。さらに、上の写真では星の色も判別できるのに対して下の写真は色が判別できません。
月明かりがあるために、かなりの星の明かりが潰れてしまっているのがわかります。
空が青く映る理由
下側の写真の方が空が青く見えますね。これはホワイトバランスをいじって青くしているわけではありません。
もともと夜空は青いんです。真っ暗だと気付きにくいだけです。
例えば夕日が沈んだ直後は空が青っぽく見えますね。ここら辺は光の波長と大気にどの角度で光が差し込むかの話が絡んできますが、とりあえず夜空は基本的には青いのです。
夕日が沈んで太陽の光がなくなっていくと、青から黒に変わっているように見えますが実際はものすごく暗い青です。月明かりがあるといい感じに夕日が沈んだ直後に似た色に見えるというわけです。
まとめ
今回は月の存在が如何に重要かを述べてきました。意気揚々と星を撮りに行ったら、月が満月直前だったのをすっかり忘れていたというのはここだけの話です…。
以前、月がない状態で撮影した時の記事はこちらになります。
このくらい写りが違うんだよ、という参考にしていただければと思います。
ちなみにこのくらい月が輝いていました。
撮影した写真は、この月を背にして撮影した形になりますね。