ローリングシャッターであってもフォーカルプレーンシャッターであっても、歪み自体は発生します。ローリングシャッター歪みが有名ですね。
フォーカルプレーンシャッター歪みも存在はしますが、幕速が十分に早いのでほとんど目立ちません。ローリングシャッターは読み出し速度が遅い場合、ローリングシャッター歪みが良くわかります。
ちなみにD610の幕速は秒速6mに対して、Nikon1の読み込み速度は秒速0.5mとなるので実に10倍の差があります。また、ローリングシャッターの読み込み速度が十分に早い場合はローリングシャッター歪みが目立たなくなるということです。
ローリングシャッター歪みは電子シャッターでしか発生しない?機械式シャッターと電子式シャッターについて
電子シャッターの方式について
CMOSセンサー
Sonyの技術情報を紹介しているサイトにCCDとCMOSの読み出し方法の違いについて記述がありました。そちらの資料を参考にまずはCMOSセンサーの読み出し方法です。
厳密には少々違いますが、イメージは伝わるかと思います。
1.CMOSセンサーは画素ごとのフォトダイオード(□)に受光し電荷を溜めます。
2.次に増幅器(△)で信号を増幅します。
3.画素選択スイッチを切り替えて列回路(緑△)に一時的に保管します。
4.最後に列選択スイッチで行ごとの画素データを送り出します。
このような流れで画像データが上から下に読み込まれるということです。この読み出し速度が遅いと、ローリングシャッター歪みが発生します。
これがCMOSセンサーの読み出し方式です。ライン露光順次読み出しと呼びます。
シャッターの話をしていたとおもったら、いきなりCMOSセンサーの話になりましたね。CMOSセンサーの読み出しはローリングシャッター歪みを引き起こします。
一般的に一眼レフやミラーレスはCMOSセンサーを使用していますが、CMOSセンサーを使用しているカメラはほとん上記の読み込み方を採用しています。
ちなみに最新のカメラなどはフォーカルプレーンシャッターを搭載しつつ、電子式シャッターも使用します。フォーカルプレーンシャッターの最大シャッタースピードが1/8000秒に対して、電子シャッターは1/32000秒とより高速なシャッタースピードが実現できるのです。
CCDセンサー
全画素同時露光一括読み出しという方式です。各フォトダイオードに蓄積した電荷を一括で読みだすのでローリングシャッター歪みは発生しません。
また、CCDセンサーは消費電力が大きいというデメリットもあります。現在流通しているコンシューマー向けのかめらはほぼすべてがCMOSセンサーを搭載しています。
まとめ
前回まではシャッターの話を延々としてきましたが、今回はイメージセンサーも出てきました。
というのも電子シャッターの動作というのはイメージセンサーそのものの性能と言っても過言ではないからです。個人的にはCMOSセンサー=ローリングシャッターという風に認識しています。
たまたま手元にあったNikon1 J5が電子シャッターかつストロボ同調速度が1/60秒だったことから、電子シャッター(ローリングシャッター)の読み込み速度を概算ですが計算することができました。他の機種でも確認してみたいところです。
ローリングシャッター歪みは電子シャッターでしか発生しない?機械式シャッターと電子式シャッターについて
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