さて、今回はストロボも絡めた話をしていきます。
フォーカルプレーンシャッターの話のときにほんの少しだけしましたが、もう少し詳しくいきます。以前使ったgifファイルがこちらですね。これは[ストロボを使用するときはシャッタースピードを1/250秒以上に設定できない]という話で使いました。先幕と後幕が開き切るシャッタースピードは1/250秒くらいが限界なためです。
では、もっと早いシャッタースピードだとどうなるかというと下の写真のようになります。
これはシャッター幕が完全に開き切らないためです。ストロボの発光時間は数千分の一~数万分の一秒、つまり一瞬です。そのため、先幕と後幕でスリットを作る1/250秒以上のシャッタースピードではスリットの隙間分しかストロボ光を拾わないのでこのような写真になってしまうのです。
シャッタースピードが1/250秒以上のときに得られる写真
フォーカルプレーンシャッターについてはこのような感じですが、電子シャッターであるローリングシャッターではどうなっているのでしょうか。
こちらでローリングシャッターの読み出しについて力説(?)しています。答えから言ってしまうと、フォーカルプレーンシャッターで起きる現象と同様です。
ローリングシャッターの読みだし(CMOSセンサー)
こちらがローリングシャッター時の読み出しのイメージです。
少々わかりづらいかもしれません。青い矢印が露光時間で、オレンジが読み出し開始時間、赤が読み出し終了時間です。横方向が時間になります。ローリングシャッターの特徴である、順次読み出しは読み出し開始時間のずれですね。
ローリングシャッターの読み出し
シャッタースピードちょっと早め
上の写真は露光時間が長い場合、つまりシャッター時間が遅い場合です。
ではもう少しシャッター時間を短くしてみましょう。
ローリングシャッターの読み出し
シャッタースピードちょっと早め
そしてストロボを発光してみましょう。
この白い帯がストロボ発光時間です。ストロボ発光時間は一瞬なので縦にまっすぐ入れています。ここがポイントです。全画面の露光時間内にストロボ発光しているので全画面にストロボ光が当たっています。
ローリングシャッターの読み出し
シャッタースピードちょっと早め
シャッタースピードもっと早め
では次にもっとシャッタースピードを早くしてみましょう。
このような感じに青い矢印(露光時間)が短くなります。
ローリングシャッターの読み出し
シャッタースピード高速
さらにストロボ発光です。
どうでしょう。ローリングシャッターの読み出しがずれている上にシャッタースピードが高速になると、ストロボ光が全画面の露光時間におさまりません。
ローリングシャッターの読み出し
シャッタースピード高速
結果として以下の写真になってしまうということです。
いかがでしょう。フォーカルプレーンシャッターでもローリングシャッターでも、許容シャッタースピード以上のシャッタースピードでストロボ発光すると一部だけが発光されてしまうということです。
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