革靴の製法についての話をしようと思ったのですが、それよりも先に各部のパーツについての説明が先でした。
アッパー部分を中心に紹介します。
1.アッパー
革靴全体の靴底よりも上の部分をアッパーと呼びます。
アッパーはトウキャップ、ヴァンプ、タン、クウォーター、アウトサイドカウンターの5つのパーツが合わさったものです。[甲革]とも呼ばれます。
2.トウキャップ
革靴のつま先部分をトウキャップと呼びます。
本来の役割はつま先の保護、補強ですが、今ではデザインの一部となります。
3.ヴァンプ
ここの名称はあまり馴染みがありませんね。トウキャップの手前、紐部分の前側の革をヴァンプと呼びます。
ヴァンプは革靴のパーツの中でも特に負担がかかる部位となります。歩く際に折り曲げられるからです。ひび割れが起きやすい部位なので要注意。
4.タン
言わずと知れたべろ部分です。
防水、防塵の役割や衝撃の緩和といった役割を持ちます。
タンの固定方法はいろいろな種類があります。スポーツシューズと革靴では大きく異なります。
5.クウォーター
[腰革]とも呼ばれる部分になります。
土踏まずを含む領域となるので履き心地にも影響が大きな部分です。
6.アウトサイドカウンター
アッパーのかかと部分を覆うパーツです。
本来の目的は保護、補強でしたが、トウキャップと同様に現在はデザインの一部です。
7.ステッチング
ストレートチップなどのつま先部分の意匠です。
縫い糸のみで構成される場合にステッチングと呼びます。
単純なようでいろいろなデザインがあります。
縫い糸の幅、太さ、縫い方などに違いが見られます。
また、穴飾りで構成される場合はブローギングと呼ばれます。
8.ピンキング
タンの先端部分のギザギザ形状の模様です。
革の切れ端をささくれにくくするためのものとなります。
9.レースステイ
羽根と呼ばれる部分です。
内羽式、外羽式と呼ばれる形があります。靴ひもを通す部分です。
デザイン的にも大きな役割を担っています。
内羽式、外羽式もそうですが、紐を通す穴の間隔や数によっても印象ががらりと変わります。
10.アイレット
靴ひもを通す穴です。[鳩目]とも呼ばれます。
また内鳩目、外鳩目と種類があります。
鳩目の金具部分が露出しないのが内鳩目。落ち着いた雰囲気になります
鳩目の金具部分が露出するのが外鳩目です。活動的な雰囲気で、金具の色や大きさによってデザインを大きく変えることができます。
ちなみに画像は内鳩目となります。
11.シューレース
靴ひもです。
靴ひもには多くの種類があります。素材もそうですが、丸紐や平紐といった違いもあります。
ベルルッティ結びには丸紐がおすすめとなります。
紐の種類については別途紹介したいと思います。
今回は少々退屈な内容でしたね。
グッドイヤーウェルテッド製法やマッケイ製法などの革靴の製法を紹介する前に、各部位の紹介が欠かせませんのでもう少しお付き合いください。
次回は靴底部分の周りについて紹介します。
こちらは靴の製法で大きく異なるデザイン、特色が見受けられます。
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