前回、星系写真の撮影方法の概要でも簡単に説明しましたが、絞りについて説明していきます。
基本的に絞りは開放で撮影します。
これはできるだけシャッタースピードを短くしたいからです。
同じ明るさで撮影する場合、開放と1段絞った場合を比べると以下のような関係が成り立ちます。
絞り開放時のシャッタースピード : 早い
1段絞った時のシャッタースピード: 遅い
シャッタースピードを早くしたいの絞り開放で撮影するのです。
しかし、絞り開放で撮影するデメリットも存在します。
絞りを開放側で撮影した場合のデメリット
開放で撮影した場合のメリットは上述の通り、シャッタースピードを早くできることです。
ではデメリットは何でしょう。画像を見て確認して見ましょう。
少々分かりづらいでしょうか。答えは周辺減光の違いです。
絞り開放側では周辺減光が発生
周辺減光とは、画像4隅が中央部分に比べて暗くなってしまう現象です。
F2.2とF2.8を比べると、F2.2の画像の方が周辺減光が大きく出ています。
上の写真はわかりづらかったので、右半分の画像を並べて見ました。
F2.2の方が周辺が暗くなっているのがわかるでしょうか。
以上のように、絞りが開放に近づくにつれ周辺減光が強まります。開放から2段〜3段絞ると周辺減光を解消することができます。
ちなみに使用したレンズの開放絞りはf2.0ですのでf4〜f5.6ほどで周辺減光は無くなります。
また、上の画像ではわかりづらいかもしれませんが開放から1段絞ったf2.8の方がよりシャープな画像となっています。これは夜景撮影などでも言えますが、一般的に開放から2段ほど絞ることで画像中心部から周辺部までをシャープに撮影することができます。(レンズによって若干異なります)
まとめ
以上のように、レンズの開放絞り側で撮影することで周辺減光が強く発生します。星系写真では特に周辺減光がわかりやすく出てしまうので要注意です。
周辺減光については、星系写真でなくても発生しますので絞りの設定についてはよく考えましょう。
次回はよくある星系写真の失敗例を紹介したいと思います。
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