ハンドソーン・ウェルテッドという製法をご存知でしょうか。
グッドイヤーウェルテッド製法はよく聞きますが、ハンドソーン・ウェルテッド製法は聞き馴染みがありません。
ざっくりと違いを説明すると、名称からしてそのままですが…。
機械で縫う:グッドイヤーウェルテッド製法
手で縫う :ハンドソーン・ウェルテッド製法
ちなみにお値段もハンドソーン・ウェルテッド製法のほうが高くなります。
一般的に値段についてはこのような感じです。
手縫いのウェルテッド製法>手縫いのマッケイ製法>機械式のウェルテッド製法>機械式のマッケイ製法
ハンドソーン・ウェルテッド製法とは
ドブ起こし:インソールを削る
では、ハンドソーン・ウェルテッドとはどのような製法なのでしょうか。
もっとも大事な部分がインソールの[ドブ起こし]です。
あらかじめインソールを削って棒状の突起を作ります。
グッドイヤーウェルテッド製法ではリブと呼ばれる布製のテープを付けていました。
手縫いで掬い縫い(すくいぬい)
ドブ起こしとアッパー、ライニング、ウェルトを手作業で掬い縫いします。
曲がった針を使用するので機械では不可能なのです。
ここがハンドソーンたる由縁ですね。
グッドイヤーウェルテッド製法では機械でつまみ縫いを行います。
アウトソールとウェルトを出し縫い
最後に出し縫いを行います。ここを手作業でやるか、機械でやるかで呼び方が変わる場合もあります。
機械 : 九分仕立て
手作業: 十分仕立て
ハンドソーン・ウェルテッド製法の利点
なんといっても[一生もの]という点です。
出し縫いさえほどけば、アウトソールや中物を交換可能です。
さらにグッドイヤーウェルテッドと違い、厚めのインソールを使用するのでインソール自体が自分の足に合った形に成形されます。
グッドイヤーウェルテッドはインソールが薄いので、中物(コルク)のほうが足の形に成形されます。
すると、オールソールした際に中物を交換すると履き心地が全く違うものになってしまうのです。
ハンドソーン・ウェルテッド製法が[一生ものの靴]と呼ばれるのはインソールが分厚く、オールソール時にも履き心地が変わらないということが最も大きな理由かと思います。
ハンドソーン・ウェルテッド製法の身近なメーカー
日本にハンドソーン・ウェルテッド製法を使っているメーカーがあります。それは[ユニオン・インペリアル]です。
百貨店に行くと必ずと言っていいほどおいてありますので、機会がありましたら見てみましょう。ユニオンインペリアルの紹介でした。
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